2012年9月30日日曜日

夢売るふたり


一昨日、「ゆれる」や「ディア・ドクター」で有名な西川美和さんの最新映画・・・
 「夢売るふたり」を観てきた。

松たか子阿部サダヲのやつ。

その他にも多くの有名俳優たちが出演していて、相当な豪華キャスト。というか、西川美和さんの映画でお馴染みのキャストとも言える。

とにかく多くの人間模様が描かれているわけだが、その中でも中心となるのが、松たか子演じる里子の性格と、彼女の変化だ。ダメ夫である貫ちゃんを愛し、強くけなげに支えているのだが、最初は夫をコントロールしているつもりで自分を正当化していたのに、どんどん夫は彼女から離れて自分の意思で自由に行動している。彼女の強い意志の中に見え隠れするその空しく辛い気持ち、ストレスと精神状態が非常によく描けている。更に他の様々なキャストの生活や価値観もきちっと描写されているので、色んな人たちの人間模様が見えて、非常に妙味深い上に、人と人の差が明確になる。・・・本当に、人間ドラマだなと思った。 

改めて、自分って、どういう価値観を持っているんだろう?!何を持って自分の人生は満たされるのだろう?!・・・なんて、考えちゃうね。 いい映画です。

2012年9月21日金曜日

Gangnam Style (江南スタイル)

今、世界中で一番流行っている曲… 
PSY「Gangnam Style」に注目!!

スミマセン、日本以外の世界中で流行っている…というのが正しいようで、私も実はこの夏、何度かパーティーDJ等でこの曲を耳にしていて曲自体は知っていたけど、この話題のPVを観たのは、つい先日アメリカ在住の友人から、日本でも流行っているのかを質問されて、初めてチェックした。

一回だけ観て、ハマった… ヤバイ!!★ 世界中がハマるの、当然だわ。

案の定、本日9月20日時点のiTunesのダウンロードランキング(iTunes Store Top 10 Songs) をチェックすると… 22か国中、この曲がトップ10に入っていない国は、日本、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド、ルクセンブルグだけ。1位の国も一杯ある。
※ちなみに、今頃日本で1位の曲は、Carly Rae Jepsen 「Call Me Maybe」だよ。ついこないだCarlyが来日していた影響もあるんだろうけど。

K-POP大国の日本であるが(K-POPの8~9割の輸出収益は日本だからね…)、このPSYに関しては例外。またちょっと竹島問題とか、日韓問題が繰り広げられている昨今なので、積極的にならないのかもだけど。

しかし・・・ イイモノは、イイ!!☆ 
・・・と叫びたい私は、純粋にこの曲の素晴らしさを日本の皆にも知ってもらいたいので、紹介するよ。

まずは、観てください。↓


このYouTubeの再生回数は、現時点で、2億2000万回を超えており、この記録は異常!!★ 
参考までに、Lady Gagaの最も再生回数の高い「Poker Face」で1.3億、ちょっと大人の色気を出し始めたJustin Bieberの「Boyfriend」が4か月経った今1.5億ナリ。

最近PSYは、アメリカに呼ばれて、ロスではCNNでインタビューされちゃうは、VMAに呼ばれるは・・・ 

Ellenでは、Britney Spearsにダンスレクチャーしちゃうし… (っていうか、Simon Cowell も"He's brilliant. He's amazing." と大絶賛)


NBC Today Show (朝の情報番組)で、Rockefeller Center前でライブパフォーマンスで、早朝から凄い人が集まって、ニューヨークは、大フィーバー…


やるな~* 韓国語で、何言っているか解らないのに、ここまで世界中で流行らすんだからね。ま、ちょっとPitbullと同じようなノリを感じるが… スペイン語と韓国語では、欧米での理解度が全く違うわけで…



しかし、何故ここまでアメリカであらゆる番組に出演できて、しかもここまでダンサー等まで揃えてもらえるのか?!・・・ と思ったら・・・ 

この男が、背後におりました!!
今をトキメク、最も勢いがあり、最もやり手な男: 
SCOOTER BRAUN!!★
最近、Billboardの表紙にまでなっちゃって。


この男、ご存じ、今をトキメク Justin Bieber、Carly Rae Jepsen、The Wantedのマネージャー。私より若い、31才のイケメン。とにかくアーティストを売ることに長けている。
この男に、PSY、買われたわけだ。 どおりで、凄いと思ったわけだ。
というわけで、一発屋な感じはしているPSYであるが、Scooter Braunがほっておくわけ無いでしょう。… しばらく、PSYはワールドワイドで活躍すること、間違いナシ。

そして、PSYは英語がペラペラなのも強い。実は、Boston University Berklee College of Music を卒業しているんだとか…。 これまた、どおりで音楽も本格的なわけだ。
そして、おっさん風のルックスだけど、実は34才なのだ。

PSY曰はく、
Gangnam Style (江南スタイル)とは…
"Dress Classy & Dance Cheesy"そして "Noble at Daytime & Crazy at Nighttime" ・・・だそうな。 上手いね。

ちなみに、私もソウルだと、やっぱり明洞エリアよりも江南エリアが好きで、お洒落なカフェやお店が一杯あるし、買い物するなら江南なんだが・・・ 日本だと何スタイルって言ったらいいんだろう?!・・・青山スタイル?! 銀座じゃないよな~。夜クレイジーって言ったら、六本木か?!


ところで・・・ 実は、今年のSummer Sonic、Nelly Furtadoも Gangnam Styleを歌っていたんだった!!★ そうそう、これ観てたよ、私!!覚えてる、覚えてるー*


これはオマケだが、私はYouTubeのTHE FINE BROSのKIDS REACT to.... やTEENS REACT to... シリーズが好きなんだけど…
早速このGangnam Styleも取り上げられていたが、アメリカのティーン絶賛!! 
"open condom store".... lol

しかし、以前、キッズにK-POP見せたら、そんな評判良くなかったんだよね。
この差がやっぱりアメリカで流行るかどうかの分かれ道なんだろな。
こっちのビデオ、日本語字幕付きなので、是非観てチョ。面白いよ。

というわけで、オッパン カンナム・スタイル!! へーーーーイ、セクシー・レイデーーー ♪ …とりあえず、踊っておきましょう。
 

≪2012年9月22日現在≫
iTunesダウンロードランキングで、日本、フランス、イタリア3ヶ国以外の19ヶ国では、全てTOP10入り。やはり、フランス、イタリア攻略は無理なのか…?! 果たして、日本で流行る日は来るのか?!

≪2012年9月29日現在≫
iTunesダウンロードランキング… その後、フランス、イタリアでもチャートインし、全ての国で、TOP5以内!!★ … 日本以外ね* (日本は世界から取り残されております。)


2012年9月17日月曜日

フェルメールの真珠の耳飾りと首飾り

今日は、上野で美術館巡り… 
どちらも明日で終わってしまうというベルリン国立美術館展マウリッツハイス美術館展をハシゴして、目玉のヨハネス・フェルメール2つの真珠を身に着けた少女の絵を拝んできた。

ベルリン国立美術館展では、「真珠の首飾りの少女」が今回初来日したということで話題。


そして、マウリッツハイス美術館展では、有名すぎる「真珠の耳飾りの少女」。 


日本人の、これぞとばかしに美術展を観ようとするその執着心には、いつも感心する。いずれの展覧会も既に6月から開催しているのにも関わらず、大行列。行った時は夕方だったが、ベルリンが30分待ち、マウリッツハイスはその後夜だったにも関わらず50分待ち。しかも、「真珠の首飾りの少女」を観るにはまた別途30分待ちの列だった。ベルリンの方は列が無いオペレーションで満員電車の押し合い状態だから、それと比べたら列に並んで確実に観れるマウリッツハイスの方がストレスは少なかった。私の母親がフェルメールの大ファンであるが、基本的に日本人のフェルメール好きは本当に半端無いと思う。やはりちゃんとこれらの絵をじっくり間近で観るには、海外に行くしかない。

フェルメールの絵は、確かに間違いなく魅力的だ。
やはり色彩と陰影のバランス、そしてどこか観ている人を和ませるような空気感…他の画家の作品には無い魅力がある。どちらの作品も、個人的にも非常に好きな作品だけど、特に「真珠の首飾りの少女」は、写真やなんかで観る以上に、生で観る色味が素晴らしかった。黄色のコートとオレンジピンクのリボン、そしてグリーンのトーン、そして真珠…全てが素敵だった。

真珠って、白いのにオーロラのように色んな輝きを放ち、気品があって華やか。しかもピュアで、天然の美しさがある。そんな真珠を少女が身に着けているというところがポイントで、ピュアな少女とピュアな気品を放つ真珠というコンビネーションを、フェルメールはきっと気に入っていたに違いない。私はちゃんとした天然の真珠のアクセサリーを持っていない。天然のアコヤ真珠のネックレスとピアス… 欲しいなぁ~とずいぶん前から思っていたが、フェルメールのこの2つの作品を観て、改めて真珠の魅力を意識した。


ところで、今回このマウリッツハイス美術館展のCMで、何故か武井咲「真珠の耳飾りの少女」に扮しているわけだが… こればっかりは、…無いわ~* と思わざるを得なかった。ちなみに会場には、彼女が着た衣装も展示してあった。「真珠の耳飾りの少女」のコスプレは、スカーレット・ヨハンソンが映画の中で少女の役を演じたぐらいで留めておいていただきたかった…。 



2012年9月9日日曜日

「ふくすけ」と「幸福論」


ずいぶん前のことになってしまうが、大人計画の舞台「ふくすけ」@シアターコクーンを観てきた話をしよう。先週末で東京公演も終わったようだね。私が観たのは、8月15日(水)の夜公演。お盆だし、仕事もラクかと思いきや、結構予想外にも忙しくて、バタバタと開演ギリギリに劇場に駆け込んだ。 

大人計画のキョーレツ作品「ふくすけ」の初演は1991年、再演は1998年… 今回が久々の再々演 らしい。とにかく豪華キャスト… 定番の阿部サダヲは勿論のこと、古田新太、多部未華子、大竹しのぶまで… どんな作品なのか興味深々だったわけだが、その衝撃的な内容は、何とも言い表わしがたいぐらいキョーレツだった。ダーク、グロ、悪、負、狂、毒 … なんかそのあたりのモノ全てひっくるめて、爆弾にしてみたけど、どう?! カオスでしょ?!…でも結構笑えるよ… っていうか、その要素を笑い転じているのが、更に恐い!!★ …って感じの舞台。 

衝撃的な作品… と言えば、ここ近年では、映画「ブラックスワン」なんかあったりして、その蜷川実花バージョンと言える「ヘルタースケルター」も最近大ヒットしたが… そのあたりの“衝撃的”と同類では語れないほどのモノであることは間違いない。… そして、大竹しのぶは凄かった!! さすがである。そして、多部ちゃんはとにかく可愛くて、この舞台を観ている側にとって、多少の朗らかな気持ちを与えてくれる存在だった。

先日、松尾スズキ氏が、以下のように呟いていた。

キャストだけでは無い。既にこの演目を21年前に初めて手掛け、今回は再々演なのにも関わらず、脚本・演出を手掛ける松尾スズキ氏ですら、やはり精神的に相当きつかったようだ。

ところで・・・
先週、アランの「幸福論」という本を読んだ。
この本は、哲学者であったアランが新聞に毎日連載していたPropoの中で、幸福にまつわる93個のProposを1928年にまとめて出版したものだ。



人間というものは、本当にすぐ考えすぎてしまう。そして、考えすぎて、思い詰めてしまうから、精神的ストレスが溜まってしまう生き物だ。アランは、心と体の関係について多く論じている。ストレスを感じたら、それが体の反応に影響するというものだ。例えば、躁欝病の人の血球数は、欝になるときに減少し、躁の時にはまた増えるらしい。つまり欝状態になった時に、誰も自分のことを理解してくれないとか、生きている意味なんてない的なことを思うよりも、血球数が減ったのだから仕方が無いと思った方が気がラクじゃないか?…なーんてことも語っていたりする。面白いよね。ちなみに、人間があくびをしたり、肩をすくめたりするのも、自然に緊張(ストレス)を解こうとしているからなのよね。

しかし、人間は自ら苦労して、困難を克服することによって幸福を得ようとする。棚ボタ的なものにあまり幸福を感じない。負ける可能性があるからこそ、賭け事やゲームを好む。そして、全く苦労をしない王様は退屈してしまうからこそ、戦争を引き起こすことになる。…なるほど。 

「ふくすけ」でいうと、本当にとてつもない不幸なダークな世界を描いているが、それは平穏な観客の心を、究極のマイナス状態に引っ張るようなモノ。だから、キョーレツでもある。しかし、多部ちゃんが可愛いとか、ちょっとしたユーモアが、所々少しリラックスさせてくれる。でも、松尾スズキ氏も、演じている役者も…こういう重たいモノに挑むのは、更にそれを乗り越えた快楽や達成感を求めているからこそ出来ることなのよね。人間って、実は究極のサドであり究極マゾでもあると思う。うん。